2005年6月30日

日本のマスコミはあまり報道していないが、ドイツでは、鳥インフルエンザが引き金となって、人間から人間に感染する強力なインフルエンザが世界的に大流行する危険について、しばしば報道されている。WHOの専門家などによると、1918年に全世界で数千万人の死者を出したスペイン風邪のような事態は、いつ起きても不思議ではないという。その際には、世界の人口の30%がこのインフルエンザに感染すると言われている。厄介なのは、インフルエンザのウイルスは変化が激しいので、大流行が始まるまでは、ワクチンを作ることができないということである。ワクチンができるまでのつなぎとなる薬があるようだが、各国政府はひそかにその薬の調達を始めているという。たとえば私の住んでいるバイエルン州は、この薬の備蓄を始めている。ワクチンを生産できる製薬会社の70%は、ヨーロッパに集中しているそうだ。もしも殺人インフルエンザが猛威をふるい始めたら、最も深刻な被害を受けるのはまたもやアジアとアフリカなのだろうか。

それにしても、誰でも知っておくべきニュースだと思うのに、日本で報道されないのは、パニックを防ぐために、報道管制でも敷かれているのだろうか。もしくはインフルエンザ報道協定でもあるのだろうか。日本のマスコミと役所はこれが得意ですからね。